エアコン室外機の盗難被害急増!銅価格高騰が原因で深刻化

夏の暑さが近づくにつれ、エアコンの需要が高まりますが、最近では室外機の盗難被害が相次いでいます。その背景には、部品に使用されている銅の価格高騰があり、盗難対策が急務となっています。

  • エアコンの室外機から銅を狙った盗難が増加中
  • 盗難の温床となっているのが銅の価格高騰
  • 盗難被害に遭うと夏場の対策に遅れが出る恐れ

銅価格の高騰が盗難の原因に

エアコンの室外機には、銅が多く使用されています。この銅の価格が最近高騰していることから、室外機を狙った盗難が増加しているのです。警察庁の統計によると、2022年の金属類の盗難件数は1万6276件と、前年から5908件も増加しています。

空調設備業者の高野商店の専務は、「銅だけを持っていくと、1キロ当たり1200円から1400円で売れる」と話します。この高値が犯罪のインセンティブになっているのは間違いありません。

夏場の準備に遅れが生じる恐れ

室外機が盗まれると、エアコンが使えなくなってしまいます。茨城県のデイサービス施設で起きた事例では、8月のオープンに向けて準備を進めていた最中に、室外機がまるごと盗まれてしまいました。施設の小川代表は「室外機がないと、エアコンが使えない。それまでは結構暑い中、準備するしかないから、ひたすら汗だく」と振り返ります。

夏場は業者が忙しくなるため、室外機の取り付けに遅れが生じれば、熱中症のリスクが高まります。高野専務は「盗まれて、翌日付けてあげるよって言ってあげられればいいけど、そういうわけにもいかず、我慢してもらわないといけない。その間に具合でも悪くなったら困る」と危惧しています。

盗難対策としての室外機固定が有効

室外機の盗難を防ぐ対策として、高野専務は「転倒防止金具」を推奨しています。これは室外機を壁面に固定するための金具で、「2本付けるとエアコンが持っていけない」と効果を説明します。

その他の対策としては、室外機を固定する部品を石に変えたり、フェンスで囲むことも有効だと言われています。盗難被害に遭わないためにも、早めの対策が求められます。

銅価格の変動に注視が必要

エアコンの室外機を狙った盗難被害が増加している背景には、銅価格の高騰があります。しかし、この銅価格は需給バランスによって変動するため、今後下落する可能性もあります。

そうなれば、盗難のインセンティブが低下し、被害が減少する可能性があります。一方で、価格が上昇し続ければ、より強固な対策が必要になるでしょう。従って、銅価格の動向に注視しながら、適切な対策を講じることが重要となります。

まとめ

エアコンの室外機を狙った盗難被害が深刻化しており、その背景には銅価格の高騰があります。被害に遭うと夏場の準備に遅れが生じるリスクがあるため、早めの対策が求められます。有効な対策としては、室外機を固定する「転倒防止金具」の設置や、フェンスで囲むことなどが挙げられます。今後の銅価格の動向にも注視し、適切な対策を講じることが重要です。